メールや手紙などの書き方ひとつで、大きなトラブルに見舞われることがある。
『大きな僕の茶色い首輪をした犬と散歩をした。』こんな文章を書いてしまったことはないだろうか?
油断をするとついつい、上記のような誤解を招く文章を書いてしまうことがある。
そこで今回は、勘違いを与えてしまう文章表現のパターンを、3つに大別して解説したい。
目次
パターン1、混乱した修飾関係
冒頭でも例示した上記の文章だが、どの修飾語がどの言葉にかかるのが分かりにくい。
そのため、「僕が大きいのか犬が大きいのか、どちらか分からない」「犬が茶色いのか首輪が茶色いのか、どちらか分からない」など、様々な疑問が発生してしまう。
この場合、以下のような工夫によって分かりやすくできる。
- 修飾語は、被修飾語の直前に持ってくる
- 適切な句読点を入れる
上記に注意して書き直したのが、以下の文章だ。
このようにすれば、「混乱した修飾関係」による誤解を防げる。
パターン2、あいまいな前後関係
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こちらの例では、前後関係や因果関係が分かりにくいため、以下のような様々な捉え方ができる。
- ランプがついたあとに、赤いボタンを押して欲しいという依頼
- 赤いボタンを押すとランプがつくという因果関係の説明
- ランプがつくのを防止するために、赤いボタンを押して欲しいという依頼
このように、前後関係があいまいだと、場合によっては真逆の意味になってしまう。 そこで、正解が1だとした場合、以下のようにすれば勘違いを防げる。
このようにすれば、「あいまいな前後関係」による誤解を防げる。
パターン3、不用意な代名詞
この場合、以下のような様々な捉え方ができてしまう。
- 犬に首輪をかけるとおとなしくなる、という因果関係に対して反対している
- 犬がおとなしくなると安全である、という因果関係について反対している
今回の文章が分かりにくくなっている原因は、不用意な代名詞の使い方にある。
解決法は至ってかんたんだ。『この考え方』の『この』について明示すればいい。そこで、1が正解だとした場合、以下のように修正すると、誤解を防げるようになる。
このようにすれば、「不用意な代名詞」による誤解を防げる。
まとめ
今回は、『要注意! 誤読される文章の3つのパターンはこれだ』として、日常で使ってしまいがちな、誤解を生みやすい文章の例と、その対策を紹介した。
日々、誤解される表現をしないよう気をつけるとともに、もしあいまいな文章に出会ってしまったら、当事者に確認をとるなどして、トラブルを防ぐようにしたい。