これまで3ヶ月間、当ブログでは長編小説を連載してきた。
『個人情報漏洩させたらこうなった』という作品だ。
元々この648 blogではPV目標を意識して運営してきた。そのため、連載小説でのアクセス獲得については、元々興味があったテーマだ。
そこで今回は、『連載小説をブログに掲載することで、SEO対策やアクセス数アップは可能なのか』という視点で解説しようと思う。
主に、自分のブログでの小説連載を考えている人に読んでもらえればと思う。
(そんなニーズがあるんだろうか・・)
目次
- 目次
- 該当の作品について
- アクセス数について
- 小説登録サイト
- SEOについて
- microdata形式での構造化マークアップ
- 回遊性について
- 収益性について
- 小説のネタについて
- はてなブログでの小説連載
- 1話ごとのボリューム
- ストーリー構成について
- 記事のフォーマット
- 結局、書きながら公開していくことは難しい
- まとめ
該当の作品について
『個人情報漏洩させたらこうなった』は、60話からなる連載小説だ。
原稿用紙にすると300枚強であり、長編小説と呼べるボリュームとなる。
内容は、僕自身の体験をベースに組み立てた、サイバーテロと事故の責任所在を巡るフィクションだ。
アクセス数について
ひとまず、ブログ全体では月間5万PVになった。
その中で、該当の小説シリーズだけだと、月間1万PV程度になっている。
連載していると徐々に読者が増えていき、30話目くらいには、最新話を投稿してから2日間で、300アクセス程度がきていた。
ありがたいことに、固定の読者が見に来てくれていた。
基本的には、RSSやTwitterやはてなブログの通知から更新を知り、直接アクセスしにきてくれたようだ。
はてブやTwitterでの拡散は少なかったが、facebookで拡散された。(シリアスな話で、かつ実務に役立ちそうな情報をストーリーに混ぜていたためか)
連載が終わった今となると、ここからアクセス数が上がるのか下がるのか、どうなるかはわからない。続編をはじめたときに、読者がついてきてくれるとうれしいが。
小説登録サイト
外部からのアクセスを得るため、『アルファポリス』と『ツギクル』というサービスに登録した。とはいえ、これらのサイトからは、ほとんどアクセスがきていない。
両者ともサイトの作りやシステムが似ている。アルファポリスの方が古くからあり、登録されている情報が多いようだ。
ちなみに世の中には『小説投稿サイト』と『小説登録サイト』がある。
前者は小説の本文自体を投稿するのだが、後者は小説サイトのURLを登録し、PVでランキングされるものとなる。(厳密には、さらに独自のロジックがあるようだが、おおむねアクセス数に比例してランキングが上がる様子だ)
アルファポリスとツギクルは、登録と投稿の両方の機能がある。当ブログでは、『登録』をさせてもらった。
(アクセス数の誘引のため、並行して外部にも小説を投稿する方法もあるかも知れないが)
ちなみに、前述の小説投稿サイトの場合は、『日常的に小説を読む層』に届きやすそうだ。それに、『なろう系』といわれる異世界モノが多い傾向がある。
一方で、一般向けの小説を掲載するなら、テーマに合ったブログでの宣伝や連載が効果的だと思う。
SEOについて
現状、『個人情報漏洩』でgoogle検索すると、60話のどれかか、『はじめに』の記事が20位以内くらいに出てくる。(タイミングによると思うが)
はじめは50位くらいで、そこから徐々に上がってきた。
今回の小説については回遊率が高く、閲覧時間が長いので、SEO的に評価されてもっと順位上がってくるかも知れない。(という期待……)
検索結果上のクリック率は高くないが、ブログ全体や「テクノロジー」カテゴリー内において、SEOキーワード『個人情報漏洩』のSEO力強化につながると思う。
SEO関連については、以下の記事でも書かせてもらった。(ですます調になっているのが気になるが・・)
上の記事でも書いたとおり、ターゲットとするキーワードに関連する記事を複数書いていくと、キーワードに対してブログが評価されていく。
引き続き『個人情報漏洩』に関する記事や、セキュリティに関する記事を書くと、相乗効果があるだろう。
microdata形式での構造化マークアップ
ところで上記の記事では書ききれなかったが、『microdata形式での構造化マークアップ』と呼ばれる形式でのパンくずリストが、かなり効果があった。
うまくカテゴリーを設計することで、サイトの階層単位でキーワード戦略を行える。
今回の小説については、『テクノロジー』→『個人情報漏洩させたらこうなった』というそれぞれの階層で、『個人情報漏洩』というキーワードへの対策がされたことになる。(と思う)
以下は参考にさせてもらったサイトだ。
ちなみに最近では、はてなブログに標準でパンくず機能が搭載されたようだ。しかしこれだと一階層なので、手軽ではあるが最良の方法だとは思えない。以下の方の記事でも同じようなことが書かれていた。
回遊性について
1話、2話と続けてアクセスされた場合、次のページに対して80%以上が読み続けてくれていた。
つまり、1話目を100人が読むとしたら、2話目で80人が閲覧、3話目で64人が閲覧、という具合だ。
各話について、次を読みたくなる工夫を入れていたこともあるのか、なかなかの回遊率だった。
収益性について
結論、連載小説記事でのコンテンツ連動広告は全然クリックして頂けない。
作品を集中して読んでもらえているということか。
もし連載小説で収益性を求めるなら、関連商品を、不自然でない形で紹介する感じになるだろうか。
例えば僕の今回の作品なら、ウイルス対策ソフトや、セキュリティに関する書籍の紹介など……
しかし、少し試した範囲では、うまくいかなかった。
メール配信で最新話を送るような方法がいいかも知れない。
まあ現状は、固定読者がついてくれるだけでありがたい、と思っている。
商売ありきで作品を書くのは、間違った方向に行く気がするので、まずは、『読者が喜んでくれるコンテンツ』を提供することを考えたい。
とはいえ、『小説をブログコンテンツのひとつとして展開する』というのは意識していきたい。
小説のネタについて
ブログの記事を書くときには、常に、『既存の読者に喜ばれるか』『ブログの方向性とずれていないか』ということを考えるだろう。
小説についても同じで、既存の読者が興味を持ってくれそうな内容にするべきだと思う。
『すでにそのブログで扱ってそうなネタ』『読者が好む切り口(明るいか暗いか。軽いか重いか。エンタメ的か純文学的か)』こんな属性を考えて、小説のネタを選ぶ必要がある。
『マーケティング小説』と言えばそれまでだが、僕はこれを、『おもてなし』であり、『読者サービス』だと思っている。
普段のブログ記事更新と同じことだ。
ちなみに『個人情報漏洩させたらこうなった』では、以下のような属性を想定して執筆した。
『実用的』『思索的』『テクノロジー要素』『大人向け』『展開早めで簡潔に書く』『体験談ぽさ』
これらの想定が、たぶん、ニーズに合っていたし、他の記事と色合いが近かった。
作品タイトルについても、属性付けを意識して考えたい。また、拡散されたときのわかりやすさや、SEO対策を考えると、直接的なタイトルの方がよさそうだ。
はてなブログでの小説連載
小説投稿サイトとして、『小説家になろう』などがあるが、僕の選択肢になかった。(当ブログのコンテンツのひとつとして書きたかった)
そこで、この『はてなブログ』が小説発表に向いているか、ということになるのだが。
結論としては、無理ではないが、ちょっとやりづらい、という感じだ。
例えば、『同じカテゴリーの最新話、つまり次の第○話に進める、分かりやすいリンク』を表示できないので、手動でリンクを貼って回る必要がある。
そこで僕は、Javascriptをカスタマイズして、各話のインデックス的なものを生成するようにしたが、やはり管理性が悪く、閲覧性もイマイチだ。
続編については、もう少しいい感じのスクリプトを用意したい。
1話ごとのボリューム
今回は、1話につき原稿用紙4枚から5枚。文字数だと、2000字以内程度を目安に進めてきた。
これは多すぎた気がする。(続編で減らすつもりはないが)
仕事をしながらブログ更新をするなら、推敲も考えると1日800字程度が限界だし、それに合わせて、ストーリーなどを考えるのが現実的だ。
一度書いた話を変えられない、というプレッシャーの中、1日か2日に1回投稿する、というのは、かなり大変だった。
冷静に考えれば、それくらい予測できたものだが(笑
まったく、創作は狂気だ。
ストーリー構成について
連載していると、たぶん時間に追われて書くようになる。
そこで迷走しないためにも、完璧なプロットが必要だ。
話の長さについては、長くても原稿用紙150枚分くらいでいったん区切りにしないと、構成を考えるのが大変だと思う。
仮に、1日800字、2ヶ月に渡り毎日更新すると考えると、この場合はトータルで原稿用紙120枚くらいの話になる。量で考えると、中篇小説レベルの長さだ。
(もちろん、短編中篇長編という違いは、長さだけではなく話の構成にも関わってくるが)
ちなみに僕自身は、多少はストーリー構成や小説執筆を学んできたから、がんばれた部分がある。
もしこれからチャレンジされる人がいたら、小さな目標からはじめてみるといいと思う。
ちなみに、ストーリーの内容としては、『1話目から全力で面白い話にしていく』ということを念頭に置きたい。
2話目3話目となると定着してくれるが、特にスタートが重要だ。
さらに、毎話ごとに、次の話が気になるような『引き』を入れるようにしたい。(そこに○○がやってきたのだが、続きは次回……的な)
記事のフォーマット
検索や外部リンクからの流入により、途中のシーンから見はじめる方も多いだろうと想定した。
そこで各話の冒頭に、作品のあらすじと、各話へのリンクを設置した。
(続けて呼んでいると、うっとうしいかも知れない。今後改善できるだろうか)
リンクについては、「はじめに」と前後の話に飛べれば十分な気がするが、全部のページに手で書き込んでいくと間違えそうだったので、全話へのリンクとしてしまった。
次の話、をクリックして全然違うところに飛んだら最悪なので・・
メインの画像については、有料素材を加工してサイバーぽい感じのを作ってみた。
結局、書きながら公開していくことは難しい
ブログでの連載小説のリスクとして、『途中で挫折したり、ストーリーを破綻させたりすると、ブログの信用が下がり、今後の小説は見向きされなくなる』ということが考えられる。
そんなわけで、例えば、以下のような方法が低リスクだと思う。
- すでに書き上げた小説を小出しにしていく
- トータル原稿用紙120枚以内くらいのものを連載する
- いやいや、50枚以内くらいの短編にしておく
まとめ
現時点では、ブログにおける小説連載について、上記のようなことが言える。
今後の僕の課題は、より読者満足度を高め、アクセス数と収益性を改善することだと思っている。
結局、同じように、続編を書くことになりそうだが……