僕はこれまで10年以上Webシステム開発に携わってきたのだが、その中で様々な人たちと仕事をしてきた。
そんな経験の中で痛感したのは、明らかに仕事ができる人がいる一方で、どうしようもなく要領のよくない人がいたことだ。
いずれも人間的にはいい人たちだったのに、社会とは残酷なもので、仕事ができるかできないかで各自のポジションが変わっていった。
やはり仕事というフィールドでやっていく以上、どうせなら「できる人」と思われたい。
そこで僕が分析したところ、「仕事ができる人は作業ではなくxxxをしている」という法則が見つかった。
要領がよくない人は
- なにか頼まれると、作業を中断して新しいことをはじめるため、ひとつのことが終わらない
- すべて完全に仕上げようとするため、どうでもよいことにも時間を使う
- 言われたことを疑問を持たずそのままやり、完成してから根本的な間違いに気づく
つまり、要領がよくない人は、時間ばかり使い、よい結果を出せないということになる。
要領がよい人は
- ひとつずつ着実に仕事を終わらせる
- 仕事の質をコントロールし、手を抜くものと質を上げるものとメリハリをつける
- 常に仕事の意味を考え、適宜、質問をしたり提案をしながら取り組む
つまり、要領がよい人は、適切なパワー配分で多くの仕事をこなせるということになる。
行動パターン具体例
上司のAさんは、来月のキャンペーンで使う営業用チラシの印刷をしようとしていた。
そこで、ネットで見つけた印刷会社Xに、印刷を発注しようとした。
そんなわけでAさんは、部下のBさんに頼んだ。
「さっきメール添付した印刷データ、印刷会社Xに発注しといて」
Bさんの要領がよくない場合
やりかけの仕事を脇に置いて、印刷会社Xのホームページを確認。
印刷データの加工が必要そうなので、がんばって規定の形に修正した。
また、納期が二週間となっていたが、そのまま発注した。
結局チラシは、次月のキャンペーン開始に間に合わなかった。
Bさんの要領がよい場合
やりかけの仕事を一時停止し、印刷会社Xのホームページを確認。新しいタスクの要点のみ把握し、やりかけの仕事を完了させた。
改めて印刷について調べたら納期がかかりそうだった。念のため別の印刷会社を検索し、印刷会社Yを見つけた。そこなら、納期、価格がXより優れ、印刷データも加工せずに発注できそうだ。
そこで、Bさんは上司のAさんへ許可をもらい、印刷会社Yへ発注した。
チラシは次月のキャンペーン開始に間に合った。
さて、前者と後者では、いったい何が違うのだろうか?
仕事の本質
仕事というものは、依頼者が、「ある課題」を「ある方法で解決する」ために依頼するものだ。
そのため、この本質を理解していないと、「せっかく仕事を終わらせたのに、再度やり直しになった」「解決すべき課題を理解していなかったから的が外れていた」
という事態になる。
そこで仕事を受け取った時点で、「なにを解決したいのか」「なぜその解決方法を選んだのか」の二点を明確にすることで、仕事の質を上げ、無駄を省くことができる。
これを逆に説明すると、「言われたことを機械的にやっても、依頼者の期待を上回ることはできない」と言える。
できる人は作業ではなくサービスをしている
仕事を「作業」としてとらえると、「指示通りにこなせばよい」と、短絡的に考えてしまいがちだ。
しかし、仕事を「ある課題の解決のために、依頼者がたまたま選んだ手段」としてとらえると、「依頼する側とされる側の両者で最適解を考えられる」ようになり、仕事の効率と質があがる。
つまり、
- 要領のよくない人は、仕事を表面的にとらえ、指示通りの作業をする
- 要領のよい人は、仕事の意義をとらえ、課題を解決するためのサービスをする
と言うことができる。
誘導の仕方
さて、ここまでは理想論を述べたが、現実として、上司や顧客へ「その方法間違ってますよ」とはなかなか言えない。
そこで、「質問しながら誘導する」という方法がおすすめだ。
例えば前述の印刷会社の例だったら、僕ならAさんをこう誘導する。
- 印刷会社Xだと印刷データの加工が欲しいみたいですが、問題ないでしょうか?
- 印刷会社Xだと納期が遅れそうですが、問題ないでしょうか?
- 参考までに報告しますが、印刷会社Yだと、データ加工がいらず、納期もコストもよさそうです。印刷会社Xのままで、問題ないでしょうか?
と、あくまで依頼者の判断にゆだねる形で質問をしていけば、スムーズに意見を聞いてもらうことができる。(相手が要領のよい人であれば、だが)
その結果あなたは、「物腰が丁寧で、かつ仕事ができるやつ」という見方をされるようになる。
まとめ
今回は、要領よく仕事をするために、
「仕事の本質をとらえ、作業ではなくサービスをする」
ことについて説明をした。
社会で働くみなさんの参考になれば幸いだ。
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