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kyamanekoです。IT、思想、哲学、心理学などの記事を書いています。

シンギュラリティ定点観測 ~科学・基礎技術分野~

シンギュラリティ定点観測 ~科学・基礎技術分野~

レイ・カーツワイル著「THE SINGULARITY IS NEAR」(シンギュラリティは近い―人類が生命を超越するとき)が書かれてから10余年が経ったのだが、人類は本当にシンギュラリティ(技術的特異点、または2045年問題)へ向かっているのだろうか。

そこで、「THE SINGULARITY IS NEAR」で言及されていた各技術分野について、現代の技術レベルを象徴するニュースを集めてみた。
また、今回は特に、『科学・基礎技術分野』を対象にした。

 

関連記事

www.kyamaneko.com

CPUの開発は終焉を迎えるのか?「ムーアの法則」

「ムーアの法則」とは、インテルの創業者のひとりであるゴードン・ムーアが、1965年に論文の中で提唱したことをきっかけに、世界に広がっていった概念だ。ムーアの法則によると、およそ1年間でCPU(集積回路の性能)が2倍になり続ける、ということになる。

近年に至るまでこの法則は実現されてきたが、ここのところ、集積回路の性能向上が停滞し、「ムーアの法則がマイナス方向で破綻したのでは」という指摘がある。

その一方で、

  • 従来の半導体技術に変わる新しい方法が生まれ、さらに革新が続く
  • 集積回路の集積度以外に、素材開発やナノテクノロジーが革新を助ける
  • 3D化構造を採用する

などの要素によって、CPUの開発自体は進展していくとも言われている。

ムーアの法則、インテル自らが成り立たなくなったと静かに宣言

CPU開発の先端をいくインテルが、CPUの開発速度の目標を下方修正し、「従来はTick-Tockモデルによる2年ごとの技術刷新」を行っていたのに対し、「今後はProcess-Architecture-Optimization(PAO)モデルによる3年ごとの技術刷新」となるようだ。

www.gizmodo.jp

IBMが7nm試作チップを発表、Intelに迫る勢い

IBMの基礎技術研究機関である「IBM Research」が、インテルを差し置き、IBMが7nmプロセス世代のLSIを利用したチップを開発している。
新しいチップでは、EUV(極端紫外線)リソグラフィ技術を使い、FinFETにSiGe(シリコンゲルマニウム)チャネルを採用している。

eetimes.jp

ムーアの法則は終わるのか? - ポストムーアの時代を考える

以下の記事では、ムーアの法則が行き詰まる要因を分析し、それを乗り越えるための方法などを詳細に解説している。リソグラフィのコスト問題、消費電力の問題など、指摘は多岐に渡る。

news.mynavi.jp

ついに実用化が迫る「量子コンピュータ」

1980年代より研究されてきた量子コンピュータは、近年実用化の可能性が高まってきた。量子コンピュータが完成すると、理論上は、現在のスーパーコンピュータが数千年かかるような計算を、数十秒で済ませてしまうとされている。

IBM、「量子コンピューティングプラットフォーム」を公開

IBM Researchは2016年5月4日、量子コンピュータプラットフォームを公開した。「IBM Quantum Experience」にアクセスすると、だれでも量子コンピューティングに参加できる。

www.atmarkit.co.jp

「1億倍高速」、グーグルが量子コンピューターにお墨付き

カナダのD-Wave社が開発した量子コンピュータを、グーグルが試験した。その結果グーグルは、(特定の実験において)D-Waveの量子コンピュータが従来のコンピュータよりも1億倍高速であることを確認した。

www.gizmodo.jp

開発競争が激化--D-Waveの性能をしのぐ「量子コンピュータ」開発始まる

東京工業大学大学院の教授である西森秀稔氏は、量子アニーリングを利用する従来の量子コンピュータに、量子ゆらぎを追加することで、さらに量子コンピュータの性能が上がるのだという。

japan.zdnet.com

人類の研究開発を支える「光速超越・重力測定」

カーツワイルの「THE SINGULARITY IS NEAR」において、人類の宇宙進出のために「光速」の克服が重要になるとされていた。
また、今後の技術革新のために、光や重力についての基礎研究も欠かせない。

NASA: 推進剤を必要としない宇宙船用新推進機関の実験に成功

推進剤を必要としない宇宙船用の新しい推進機関「Electromagnetic Drive」を使うと、理論上、70日間で火星までいけるようだ。光速の超越とまでは行かないが、興味深い技術だ。

NASA: 推進剤を必要としない宇宙船用新推進機関の実験に成功

Evaluating NASA’s Futuristic EM Drive | NASASpaceFlight.com

ついに重力波の観測に成功、光による宇宙観測を補完することで宇宙研究が大きく広がる可能性

アインシュタインはかつて、物体の運動にともなって発生する重力波の存在を予言していた。重力波の観測技術や利用技術の開発が進めば、人類に多大な可能性をもたらす。

gigazine.net

重力より強い暗黒エネルギー 日米が正体解明に挑む

ビッグバン以降、宇宙は収縮しているどころか、実は膨張していることが判明した。宇宙を膨張させている斥力が、「暗黒エネルギー」によるものであると推定されている。

www.nikkei.com

まとめ

シンギュラリティの理論が提唱されてからも、技術はますます進歩を遂げている。革新を続ける技術分野の中でも、今回は「科学・基礎技術分野」について、近年のニュースをまとめてみた。

着実に進む基礎的な研究は、やがて実生活へと浸透してくるだろう。

それではまた。




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